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授業の紹介「地域探究プロジェクト」(CrossⅡ)

御影高校 文理探究科の授業を紹介するシリーズ。
今回は「CrossⅡ」という授業で行っている「地域探究プロジェクト」について紹介します。


地域探究プロジェクトとは?

 地域探究プロジェクトとは、その名の通り、地域の誰かの困りごとを解決したり、地域をより良くしたりするために自分たちに何ができるか考える探究の授業です。地域探究プロジェクトでは、地域の様々な現状から「問題発見」をして、その問題の解決に向けて探究を進めていきます。そして、その問題について「仮説」を設定して、その仮説が正しいかどうか、調査・実験等を通じて、「検証・分析」します。その「結果」を踏まえて、問題の解決を実現すべく、プロジェクトの提案を行ったり、そのプロジェクトを実践したりします。そして、最後には探究してきた内容を神戸大学で発表します。

昨年度の発表の様子@神戸大学 瀧川記念学術交流会館

 地域探究プロジェクトは1年生の冬から2年生の夏までの約半年間という長い期間行うプロジェクトで、まず自分たちが何に興味を持っているか知ることから始まりました。1年生の冬休みの宿題で、普段の生活の中で気になったこと等から、どのようなことを探究したいか考え、そこから探究する班やテーマを決めました。探究するテーマを決めてからはそのテーマについて、様々な方に協力していただきながら探究活動を進めます。2年生の1学期からは神戸大学文学部の学生の方々に毎週学校へ来ていただき、アドバイスをもらいつつ、協働的に探究活動を進めています。今は神戸大学の学生の方々に手伝っていただきながら、数週間後に迫っている発表へ向けて最後の準備をしているところです。発表まであまり時間がないのですが、悔いのないように頑張ります!

神戸大学生からアドバイスを受ける2年生


地域探究プロジェクトの魅力 その1

自由に探究活動ができる!

 地域探究プロジェクトの魅力の一つとして「自由に探究活動ができる」ことがあります。まずは探究のテーマの決め方です。冬休みの宿題で自分の普段の生活の中で気になったことなどから、どんなことを探究したいか考え、似たテーマの人で集まって、何でそのテーマがいいと思ったかというところから話し合い、近い考えの生徒同士で集まって、1グループ5人の班を作りました。これまで取り組んだ探究の授業では何をテーマにして探究をするのかがある程度設定されており、班も事前に決まっていたので、全て自分たちで決められるというのは初めてで嬉しかったです。次に、現地調査です。今まではクラスのみんなで連れ立って現地調査に行ったり、情報収集をしたりしていましたが、今回は違います。調査の申請書を出し、調査先にアポイントメントを取り、実際に調査に行くまで全て自分たちで行います。班員の部活の予定が合わなかったり、調査先の方の日程が合わなかったり、調査申請書が提出し直さないといけなかったりと、今まで味わってこなかった苦労がたくさんあり大変ですが、今までになかった体験がたくさんでき、新鮮で楽しいです。地域探究プロジェクトは自分たちで何でも決められる分、好きなように行動できますが、その分責任を背負うことになるので、責任を持って行動する必要があります。

どこに取材に行くか相談中

地域探究プロジェクトの魅力 その2

様々な人との関わり

 地域探究プロジェクトの魅力の2つ目として「様々な人との関わり」があります。今までの探究の授業でも、様々な方と関わりながら探究をしていましたが、今回は期間が長いこともあり多くの人と関わりました。具体的には、大学の先生や、調査先の方々、区役所の方、神戸大学の学生の方々などです。この探究の授業で一番初めに関わりがあったのは摂南大学の鎌田先生です。鎌田先生にはテーマを決める過程やその理由づけをするのを手伝っていただきました。ずっと自分たちで考えてばかりだと行き詰まってしまうので、鎌田先生に話を聞いてもらいながらアドバイスをもらうと、すごく考えやすかったです。

鎌田先生にアドバイスをもらう生徒の様子

 
 次は京都芸術大学の吉田先生です。吉田先生には一次情報や二次情報とは何かや、その集め方、今後に向けての改善点を教えていただきました。吉田先生のお話を聞くのは2回ありましたが、どちらも説明がわかりやすく、すっと頭に入ってくるので、それ以降の探究活動にとても役立ちました。

吉田先生の講義の様子

 また、学校外で現地調査に行った先の方々にインタビューをしたり、区役所の方に来ていただきアドバイスをもらったりしました。2年生になると、神戸大学の学生の方々と一緒に探究活動を行いました。大学でも地域探究をやっているらしく、どう進めればよいかのアドバイスが的確!!!年齢が近いので気軽に頼ることもでき、すごく探究活動を進めやすかったです。地域探究プロジェクトでは様々な方に手伝っていただきながら探究してきたので、いままでよりもさらに発表に向けて頑張りたいと思います。

東灘区役所の方へ途中経過の報告

地域探究プロジェクトで気づいたこと

仲間の大切さ

 地域探究プロジェクトでは半年間という長い時間の中でたくさんのことに気付かされました。まずは「仲間の大切さ」です。総合人文コース(文理探究科)は3年間クラスが同じですが、その中でも半年間一緒に活動するということは今までにない長い時間でした。最初は似たようなテーマで探究したいというところから班を作り、共に探究を始めました。途中何度も行き詰まったり、班の中で意見が合わなかったり、先生方にダメ出しされたりもしましたが、班のメンバーで助け合えたからこそ、途中でくじけずに進んでこれたのだと思います。

テーマを出し合う生徒の様子

多くの方に支えられている

 次に、自分たちがどれだけ多くの人に支えられてきたかということです。地域探究プロジェクトでは、自分たちで自由に行動できるようになった分、今まで先生方にやってもらっていたことや、陰で協力してくださっていた方がいたことなど、今まで見えていなかったことに気づきました。地域探究プロジェクトを計画してくださった方々、出前授業に来ていただいた先生方、調査に快く協力してくださった方々、神戸大学の方々、そして御影高校の先生方、他にも様々な協力してくださった方々がいます。その方々に自身を持っていい探究になったと言えるよう、最終発表までの残りの数週間頑張りたいと思います!

<この記事を書いた人>

きむら/御影高校 総合人文コース2年生

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